今回は、人によっては嫌悪感を覚えるかもしれない画像、文章があることを事前に申し上げます
記事のサムネですでに表示されてしまっていることをお詫び申し上げます

本日、猟友会の方から連絡がありまして有害鳥獣捕獲用の罠でアライグマが捕獲されたが、毛皮をとるかい?とのことでした

ラスカルやシートン動物記のウェヤッチャでお馴染みな動物ですが、イメージと違い発情期には凶暴性が高かまり気性が荒く、その習性から建造物屋根裏に入り込んで巣にして汚損、農作物の食害、家畜、ペット、人間への傷害も行う上に人畜共通感染症や寄生虫のキャリアでもある結構危険な動物だったりします
有名どころでは狂犬病などが言われていますね

このアライグマ、原産地では毛皮獣として古くから狩猟の対象になってきましたが、日本へ輸入されたのはヌートリア等と違い毛皮のためではなく観賞、愛玩用のようです
60年代に動物園から逃亡したものが野生化したりしはじめ、中には前述の『ラスカル』の最終回の影響で飼い主が勝手に放獣した事例もあるようです
成長すると運動量が増え木登り用止まり木も含めた10平米ほどのスペースが必要になる上に、繁殖期には非常に気性が荒くなるという性質のせいで素人による飼育は難しいため、飼いきれなくなり放獣というケースもあれば、手先が器用なために簡易な飼育設備から自力で脱走した事例も多いとか

『動物は自然のなかで暮らすのが一番』そんな意見のもと放獣されたり、管理の甘さゆえに逃げ出した彼らですが
原産地の北米ならばたしかに『自然にもどる』と言えなくはないかもしれません(それでも元の生息域とは違う地域で放獣されて亜種への遺伝子汚染問題も)

ですがね、ここは北米から太平洋を隔てた日本列島なんです
彼らの元々の住環境とは違います、それは双方にとってよくない影響を与えます
在来種が食害で数を減らし、アライグマ自身も厄介者として駆除の対象に

なんで何時もみたいに皮の加工行程とか書かずにこんなこと書いてるかと申しますと、アライグマの利用法を調べてる際に駆除をしてる自治体に批判が殺到してるというのを見かけたためです
批判してる人と放獣した人は違うでしょう、でもね、批判内容見てるとアライグマやその被害に対しては放獣した人の言い分と似通ったものを感じます
捕獲したら他所に移住させる、収容施設で飼育する等、すべて他人の金に頼るか『自然に任せる』という無責任に帰結するんです

まして、駆除なんて最低限の対処療法みたいなものなので、それさえしない状況では農業被害はどうなるんでしょう?


自分自身は農家じゃありませんが、仕事先で農家をされてる方から被害について聞かされることはよくあります

自然にかえるのが一番と放獣しても、ドングリやザリガニだけ食べてくれる訳じゃありません、彼らだって生きるために考えて行動してますから、より簡単に、より多く手に入り、栄養価の高い食べ物を選んで食べます
動物は人間の都合でなんて動いてくれませんし、環境次第で食性も変わります

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コイツが捨てられた元ペットなのか、それとも数世代前に野生化したものだったのかはわかりません
しかし、コイツか親が日本で捨てられたりしなければ、『特定外来種』とか言われることもなかったんでしょうがねぇ

次回、毛皮を加工していこうと思います